« 感想集:活字本 2016.2 | Main | 感想集 活字本 2016.11 »

感想集:CD 2016.4

『ライヴ・ワイアー』 “JEFF BECK WITH THE JAN HAMMER GROUP LIVE” ジェフ・ベック JEFF BECK (Sony Music MHCP 590 2005.2.23 original LP released in 1977 )

私の若い頃はフュージョン流行りだったが、ジャズもフュージョンもその頃聴く気になれず、ロックからフュージョンへ接近したようなジェフ・ベックも聴く気にならなかったのだけど、この 20年で代表的なアルバムは聴いているのだから驚きだ。『ワイアード』も聴いた。しょっちゅう聴きたいとは思わないが、でもときには『ギター殺人者の凱旋』こと “BLOW BY BLOW” や。『ワイアード』も聴く気になる。そしてこのライヴ盤、『ワイアード』の次に出たから『ライヴ・ワイアー』って、まあ気の利いた邦題だと思うが、原題は単にヤン・ハマーのグループとのライブ……ですか。部分部分では、いい音(というのは魅かれる音色、フレーズ)だと感じるところがあるけど、全体としては一度聴けばいいですってところかな。


『転転々』ヒカシュー(MAKIGAMI RECORDS MKR-006 2009.12.20)

現メンバーになってからの初めての CD作品である、2006年頃のアルバム『転々』を聴いていれば、タイトルから判断して、このアルバム『転転々』の内容も想像がつくだろう。『転々』同様フリーの、なんていうか、専門用語?ではなんと呼ぶか知らないが、普通の歌物でなくてインプロヴィゼーション的な音が主体のアルバムである。ただ『転々』と違うところは、まず1曲目に「ニコセロン」という題の歌が入っていて、最後にも歌詞が違う同じ歌が置かれている。この歌があることで、アルバムに入りやすい。リズム感の悪い私の感想なので、あてにならないところがあるけど、歌の拍子が微妙に後にずれてる感じで聴きやすいような聴きにくいような妙な印象で、とらえどころのない歌詞、曲調はある意味アグレッシヴでもある。この曲、そして 3曲目の「外ではほらきみが降ってる」からアルバム全体がとてもへヴィーな印象を受ける。魅力的なへヴィーさである。そして現メンバーで、『転々』から始まって、ミニ・アルバム(シングル?)『入念』、続いてのアルバム『生きること』の完成を経ての、このアルバムを聴くと、フリーさとともにあるまとまり、一本筋の通った感じがある。淡々としてアグレッシヴでへヴィで柔らかい。色彩と陰影を描いて迫り来る。


『ニコセロン part3』ヒカシュー(MAKIGAMI RECORDS MKR-007)

ミニ・アルバム(シングル?)『鯉とガスパチョ』、アルバム『転転々』、そしてまたミニ・アルバム(シングル?)『ニコセロン part3』が、なんとなく知らないうちに出てましたという感じで出ている。前のアルバム『転転々』を聴いていれば分かるけど「ニコセロン」というのは、その最初と終わりに置かれている歌で、この4曲入りのCDでさらにそのヴァリエーションが 1曲目と 4曲目に展開される。その「ニコセロン」もいいのだが、このCDでは、 2曲目「あしたにかけた」、3曲目「青すぎるジャージ」が巻上公一と三田超人のそれぞれのヴォーカルでヒカシューの魅力爆発という感じのナイスなナンバーで、最近のミニ・アルバム(シングル?)にはそれぞれに捨てがたい曲があるのだが、この2曲も決してはずせない痛快さである。


“Hello World” 『ハローワールド』SCANDAL スキャンダル(ESCL4324-5 2015.12.3)

2014年暮れの新譜、サウンドは1曲目から快調に飛ばす迷いのなさで文句ないが、歌詞がね、やっぱりだんだんと年齢が上になってくることとかバンドの知名度が上がってすっかり押しも押されもしない存在になっていることとかと関係して歌詞が大向こうに向けた、元気だして行くぞ、みたいな大味なものになってきてるかなあとか思いながら、そういう中にSCANDAL定番のリリカルな “Departure” という曲があって、そして中盤の「夜明けの流星群」「お願いナビゲーション」あたりの盛り上がりの快感、後半は Haruna以外のヴォーカル曲がそれぞれにパーソナルな面白さを伝えて……っていうアルバム全体に対する印象は前作とほぼ同じだ。ラストの小室哲哉フィーチャリングというのは、私には有難味が分からない。


『メイン・ストリートのならず者』“EXILE ON MAIN ST” ローリング・ストーンズ ROLLING STONES(ユニバーサルミュージック UICY20079 2010.12.22 original LP released in 1972 )

私がストーンズを聴き始めたのは、ラジオで新譜として聞くシングル曲が、この後の「悲しみのアンジー」から、新作アルバムをちゃんと聴くというは『エモーショナル・レスキュー』からで、それからいろいろと聴いて行ったけど、この『メイン・ストリートのならず者』をやっと聴いた。LPは2枚組だけど、このCDでは1枚に収まる長さだ。『スティッキー・フィンガーズ』も少し前に聴いた。『ベガーズ・バンケット』は聴くの早かったのだよ、最初の日本盤CDで聴いたから。70年代のスタジオ盤では、それでもあとラジオで新譜として初めて聞いた「悲しみのアンジー」を含む『山羊の頭のスープ』を残すだけになった。このアルバムに収録されているヒット曲「ダイスを転がせ」は曲自体は当時印象に残らなかったけど、曲名だけはリアルタイムで知っていた。ちょうどラジオのいろいろな音楽番組を聴き始めた12歳のときなのだが、私が思うにはその頃日本テレビ系で日曜夜7時に30分の音楽番組があって、それが邦楽の若者向けポップ歌謡と洋楽情報を両方扱うという番組で、歌手としてはデビュー直後の新御三家や沢田研二、三善英史、和田アキ子といったところがよく出演していた。洋楽の方も今この曲がヒットしているとか紹介していたと思う(当時のジョン・レノンみたいな出で立ちで今野雄二が登場して喋ってたんだよ)。もしかしたら出演者を含めた即席の日本人バンドで「ダイスを転がせ」をコピー演奏していたことなんかもあったのかもなあと漠然と思っている。。『ベガーズ・バンケット』の原石から『スティッキー・フィンガーズ』の磨き上げたダイヤになったストーンズのサウンドがさらに展開し、彼らがビートルズとはまた異なったアプローチでの自在さを会得していたと言えるアルバムだ。

|

« 感想集:活字本 2016.2 | Main | 感想集 活字本 2016.11 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17204/62272553

Listed below are links to weblogs that reference 感想集:CD 2016.4:

« 感想集:活字本 2016.2 | Main | 感想集 活字本 2016.11 »