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感想文:“In Concert '70 & '72” Deep Purple

2015/07/06 “In Concert '70 & '72” Deep Purple ( Moraでダウンロード購入 2012.6.13 オリジナルLP 1980発表)

この感想を書くために調べてたら、どうも CDの 2枚目の方の 6曲目 “Space Truckin' ” がオンライン版では抜けてるのだなあ。

もとは 1980年に出された二枚組LPで日本では 1981年発売だそうで、確かにその頃だった。もちろん彼らの極上の第二期のライヴなのだが、ちょうど私が一通りディープ・パープルを聴き終わった頃に出たということで、しかもレコード会社はワーナーじゃなくてトリオという、オーディオ製品ならともかくレコード会社としてはあまりなじみのないところだし、後回しになってそのまま来ていた。最近では PCに取り込んでひさびさにあの『ライヴ・イン・ジャパン』を聴いてみると、なかなかに、そりゃ二十歳の頃は幾度となく聴いていたけど、今聴くとこれがまたいろいろと新たな感慨、発見があるのですよ。そして、前半、アルバム『イン・ロック』発売時の 1970年の 2月と後半、『マシン・ヘッド』発売時の 1972年 3月のライヴからなる、このライヴ盤、聴いてみると胸いっぱいのものがある。前半は、当時において、まことにイノヴェイティヴであり、最初から最後までハードな音が詰まりまくっているあのアルバムそのままの感触で、後半は後年様式美と言われるパープルのスタイルを決定づけたアルバム発表時であるが、まだライヴのスタイルが固まりきらない、どちらにおいても縦横にハードな音がドライヴしまくりである。持てる可能性めいっぱい試し自らの音楽性をアピール、重なるライヴ営業に倦んでいない時期の、時代も彼ら自身も清新な魅力に満ちた時期のライヴ盤である。

ファースト・アルバムの「マンドレイク・ルート」を聴くと、ディープ・パープルのサウンドが基本的には最初から第二期に通じるものであったと分るのだけど、第二期ラインナップとしての「マンドレイク・ルート」がこのアルバムで聴ける。イアン・ギランが第一期の「ハッシュ」を歌うのは編集盤アルバム『パワーハウス』で聴いているけど、今回はじめてギランの「マンドレイク・ルート」を聴いた。なんというか、こうなるかというギランらしいエクストリームなヴォーカルが微笑ましい。後半の客はピーピー鳴らすオモチャみたいなのも持ち込んでいて、MC時に多少ざわついて耳障りであった。

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感想文:『鯉とガスパチョ』ヒカシュー

2015/07/04 『鯉とガスパチョ』ヒカシュー(MAKIGAMI RECORDS 2009.10.20)

2008年 4月発売のアルバム『生きること』に続く 2009年10月発売の 3曲入り CD(シングルCDってことになるのか)で、現在2015年で 10年を迎えている現メンバーでアヴァンギャルド色の強い『転々』、3曲入り『入念』とリリースし、ついで 2008年『生きること』でひとつの区切りとした感があるヒカシューの新たな展開を感じさせるものなのだが、いささかとりとめのないというか、つかみどころのない感じのある 3曲である。ただ、やはり音はすごくいい。

タイトル曲「鯉とガスパッチョ」、聴いているうちに思いついたのは、これは歌謡曲や洋楽でもあったが、いわゆる夏物(特に夏向けに作られた曲)だなということ。そして夏というとヒカシューには、それこそ『夏』というタイトルのアルバムさえあるのだ。セカンド・アルバムである『夏』が 1980年、それから 30年経とうという夏の光景を描いた曲で、夏物らしい間奏のギターも情熱的な音だ。夏に続いては秋の日の」と始まる「珍無類」で「でも いい人はぐらかさないで」というような、分ったような分らないような歌詞は繰り返し聴くとクセになる。ところで歌詞ブックレットを見て見ると、現メンバーの他に、以前の故・野本和浩、トルステン・ラッシュ、新井田耕造、吉森信といった名前が載っているので、その頃の録音も使われているようなのだが、この曲だろうか?と思っている。つかみどころのないような歌詞に対し、音はふと気づくと思いの他ハードだ。3曲目「グローバルシティの憂鬱」、前の 3曲入り CD、そして『生きること』には「デジタルなフランケン」という印象的な曲があったが、やはり ITでネットワークされた現代、という観点での曲、ノリの良さ、曲のキャッチーさでは 3曲中一番の曲だ。もともとテクノポップというジャンルに分類される位置づけで登場し、演奏録音機材がアナログからデジタルへ移り行く前夜であった当初からテクノロジーとの対峙を感じさせるグループだったヒカシューが、やはりそれから30年経とうという現在の変わらぬポジションを確認させるようなナンバーである。

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