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感想文:『八月の路上に捨てる』伊藤たかみ

2015/06/18 『八月の路上に捨てる』伊藤たかみ(文芸春秋、文春文庫 2009.8.10 オリジナル単行本 2006年刊行)

岡山市にジュンク堂は無くなってしまったけど、ジュンク堂があったときに、そのズラーッと並んでる文庫棚の文春文庫のところにタイトルが目について、たまには新しい作家の本を読んでみるかと買ってみた。ページ数が薄かったのも気が楽だった。タイトルの魅いたところは、なんとなくハードボイルドっぽい、そして作者名が女性らしいので、なんかカッコいいなと感じたのだったが、読んでみると、表題作は単に若気の至りの痛い男女の離婚話、しかも作者は男性だった(角田光代、といっても名前しか知らないが、その人の夫なのだそう)。

冒頭、自動販売機のルートサービスにまわる男女の話というので、良さそうなシチュエーションだと思ったんだけど……。トラックでまわる女性の方の、離婚の先輩である水城さんは魅力的なキャラクターで、最後にまわった歌舞伎町の連れ込み旅館でシャワー浴びさせてくれるというので彼女が使うところが良かった。二人の働いている事業所がセクハラとかあってバイトが大変だというのがわざとらしい。いろいろある世の中で今まで以上にいろいろある21世紀の世界で、取るに足らない男女の離婚話、知るかよ、どーでもいい…って思わせちゃったらいかんわな。

ネット書店アマゾンのレビューを見たら、結構な数あって、評価は毀誉褒貶半々で結局真ん中くらいという。こういう話が身近というか、身につまされるというかで良かったって人もいるのだ。

で、これが文庫本 88ページで後2編短編がある。「貝から見る風景」と「安定期つれづれ」だが、なんと「安定期つれづれ」は文庫化で収録されたというから、薄い本だなと思ったが(ページ数約 180)、もとはもっと薄かったのだ。「貝から見る風景」は、オフィスで働いている女房をスーパーマーケットで待つライターの夫の話で、店への投書掲示板が話のネタになる。多少興味を引くが、まあそれほどでもなく、落ち着くところへ落ち着く。「安定期つれづれ」は、夫の家庭とうまく行ってなくて実家に帰ってきて出産する予定の不動産屋勤めの女とその父親で禁煙を始めた老人の話、「八月の路上に捨てる」同様、この二編にも、この世界の片隅の登場人物のささやかな心の成長というのか生きている心の変化というのか、そういうのがあるけど、まああんましどうでもいいです、という読後感だった。


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