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(再掲)感想文:漫画単行本『『大好きが虫はタダシくんの』阿部共実

web「「すわてのメモ」ページ」閉鎖予定につき、今まで書いていた感想文をこのブログに書いてゆくことにしたので、その手始めに今年になって書いた感想文を再掲載します。

2015/02/28『大好きが虫はタダシくんの』阿部共実(秋田書店、少年チャンピオンコミックス 2013.1.20、電子書籍版 eBookJapanよりダウンロード )

毎週“少年チャンピオン”で読んだ『空が灰色だから』は買おうかどうか迷ったけれど、最近は漫画本を貯めるのをやめたい気になっているので買っていない。この作品集『大好きが虫はタダシくんの』は、『空が灰色だから』の 4巻と同時に出た、と思うが、今ネット書店で確認した、間違いなかった。『空が灰色だから』は買わなかったが、一冊で済むこれは買ってよもうかという気になったのだ。この作品集には“少年チャンピオン”でのデビュー作、新人賞の、どこまで行ったのか覚えてないが、新人賞にかかわっていた作品だったと思う「破壊症候群」が収録されている。。キュートでポップな今様の絵柄だが、でもどっかで見たような気もする。賞の評者の一人、浜岡賢次もそんなことを書いていたように思うが今、確認出来ない。そのどっかで見たようなというのは特定の作家でなくて、今の時代に出てくるべくして出てきたような絵柄というような感じなのかも知れない。非常に説得力のある絵柄と言えよう。でもって、その作品「破壊症候群」だが、よっぽど切り取って保存しておこうかと思った。新人の読み切りで、ここまで思うのはめったにない。探したが無かったので保存はしてなかったみたいだが、そのためにもこの本はありがたい。

それから今、“少年チャンピオン”の webコミック・サイトの“Champion タップ!”というのが運営されているが、『空が灰色だから』連載中に、今から思うと、その試験的な試みが、「浦安鉄筋家族」の特設サイトという形だったと記憶するが、あって、そのサイトで短期連載されたのが、この本で分量的に一番大きな「ドラゴンスワロウ」で、毎回毎回が何かある「空が灰色だから」に較べて、乙女二人の百合な片思いをギャグで流したなんとも言えぬいい感じが記憶に残った。その「ドラゴンスワロウ」がこの本で読める。後は巻頭のカラーは、これは「空が灰色だから」がカラーページの回のときのものだね、これは保存しているのもあるはず。

「破壊症候群」はSF的ファンタジーでアクションもあるという話なので、この先活動が続くならそういう方向で展開されるのだろうと感じられたから、「空が灰色だから」が最初に短期連載の「空が灰色だから手をつなごう」で登場したときは意外だったが、しかし確実な手ごたえがあった。はたして5巻分の作品の結実があった。そのさまをライヴで毎週見られたのはうれしいことだった。

「ドラゴンスワロウ」を落ち着いて再読したが、全般的に片思いの彼女の突っ込むギャグで流れてゆく、たわいない流れの中にふと情感あふれるコマとか、世界がいい雰囲気のコマがあって愛すべき作品である。後の作品は未読だったが、ギャグをかましながら、キュートに世界と人間の生に切迫する作者の漫画の可能性が伺える好編がそろっているというと褒め過ぎか?

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