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児童ポルノ禁止法とその改正案をめぐって思うこと

以下の文章は私の推測、憶測を含む意見感想です。この記事はそのうち削除するかも知れません。


単純所持と表現物規制という方向で改悪されるおそれのある児童ポルノ禁止法であるが、改悪を主張する人たちはどういう人たちなのか。まず、警察関係者や教育関係者の中には、おそろっしくエッチなものに対する許容範囲が狭い人たちがいる。こういう人たちに接したことがなくて、ふだん自由に楽しく生きていて、たとえばコミケとかで自由にマンガを書いたり読んだり、コスプレして、その中にはけっこう肌の露出の多い女の子もいて、というような世界しか知らない人には想像がなかなかつきにくいのだろうけど、今、出ている雑誌の大半はポルノだというような人がいるみたいなんだな。それこそ、現行の児童ポルノ禁止法の児童ポルノの定義を極限まで広く当てはめて、家に帰って茶の間で、ふんぞりかえって「ポルノばっかりだ、けしからん」と言ってるような人が想像される。

それから一部の偏って道徳的で熱心な宗教家。それから偏って極端な、ごく一部のフェミニズム論者。とても視野が狭くて独善的な正義をきどったマスコミ関係者たち。詳しくは書かないが、とにかくふだん自由に楽しく生きていてる人たちから見れば、ちょっとそばによるのは勘弁して欲しいような人たちが確かに存在しているだろう。そういった人たちにさらに政治経済的な利権が絡んでいて動いている人たちもいるだろう。インターネット関係者で、そういう利権絡みの上からの規制に、なんら危機感を持ってなくて、喜んで力を貸そうとしているような人もいるかも知れない。ネットとマスコミが対抗しているように言われるが、一部のポータルサイトとかそういうマスを相手にしているインターネット関係者には、かつてのマスコミの悪い部分をそのまま受け継いでいるような人たちもいるかも知れない。


そういう人たちを支持してしまうのは、どういう人たちかと言うと、事実をよく知らない、きれいごとのイメージで動かされ、簡単な欲で動かされる人。表現の自由とかいろいろな自由権という憲法の根本のようなことについて考えたことがなくて、上からの規制を当然と思うような教育をされてきた人たち。そして宮台真司とかが良く言っているらしい(今、私は『幸福論』という、宮台真司と他二人の若い社会学者が対話している本をずっと読んでいるのです)「不安のポピュリズム」に動かされる人たち。


「不安のポピュリズム」に関連して思うことは、漫画に対する攻撃というのは、それこそ 50年以上前の、まだ漫画週刊誌が生まれる前からあって、手塚治虫の漫画などが槍玉に上がったりしたが、かつてのそれがマスコミの一部の俗悪と言われるものを表現している部分に対しての攻撃であったのに対し、昨今のそれはマスコミと並んで同人誌とかインターネット上の同人的な表現に向かうことが多くなっているようだ。コミケに代表される漫画等同人の巨大な社会が成立するとともに、その近辺における、なんだか良く分からない奴ら、なんだか良く分からない若者たち、に対する不安、コミュニケーション不足、そういうことから生じる心理がうまく規制推進を支持する動きに利用されているのではと思う。ネットの掲示板をいろいろ見ても、児童ポルノ法に反対しているのはキモオタだけ、みたいなことをわざわざ、漫画、同人関係の掲示板等で言ってる人たちって、おそらくはそのキモオタたちを身近に見ている人たちだろうね。

ところで「不安のポピュリズム」については、児童ポルノ法改正反対を唱えている人たちの中にもあると思う。ふだん、そういうことになんら関心を持ってなかったのに、ネットの掲示板で話題になってるのを見て、急に大変なことに気づいて、でもどうすればいいか分からない。内容は改正反対でも、ひたすら同じ文章のコピー&ペーストを繰り返すという人たちはそうなのかも知れない。もちろん見て見苦しいものであるので、自分の言葉で意見を主張して欲しいとは思うけど、こればかりは本人にかかっている。

児童ポルノ法改正には反対だけど、ある程度は規制された方がいいとか、自分の好きな漫画の規制は反対だが、「××」と「○○」(具体的な作品名や作者名が入る)は規制されてもいいとか言うような人もいるが、いったん、法的に規制されると、それこそ漫画について何も分かってないような人たちが取り締まりにかかわるわけで、そういうものの分かった、的を得た規制なんてものがされることは期待出来ない。上からの規制、法的規制と、自主規制とかよく言われるが、ちゃんとその業界の状況が分かっている製作流通読者のサークル内で行われる配慮とはかなり違う。そこらへんで、「規制」ってことに鈍感な言説というのも勘弁して欲しいと私は思う。

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児童を救う本来の意図を離れて問題がある児童ポルノ禁止法とその改正案についての覚え書き

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児童ポルノ禁止法、「児童売春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」。手元の『デイリー六法 平成21年度版』では、p.1509 から p.1511 にかけて掲載。平成11年(1999年)施行、最終改正平成16年(2004年)。国際的に問題になっている児童ポルノ製作による児童の被害を防ぎ、被害を受けた児童を救済する目的であるが、現在施行されている内容及び、先だっても(6月26日)衆院法務委員会で審議され、与野党修正協議の末、国会解散によって廃案となった改正案は、本来の目的を離れて表現の自由の侵害や不当逮捕等につながる危険が指摘されており、ネット上で広範に反対の声が上がっている。

現行の内容では、第二条、児童の定義が 18歳未満であることの妥当性、第二条三 「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」という定義のあいまいさに疑問がある。第二条三により児童ポルノとされているものは「三号ポルノ」という通称で呼ばれている。

改正案の内容では単純所持の処罰が不当逮捕等の人権侵害につながる、漫画、アニメ、ゲーム等、モデルのいない創作物に対しての適用が表現の自由の侵害につながるおそれがある。

私としては、この法案(現行のもの及び改正案)によって、私が広く愛する漫画やアイドル・グラビアなどの創作表現が規制されること、規制の動きそのものがそれらの創作表現を享受する上で、心理的に不快な圧迫となってくる。加えて、これらの改正方向は、本来の児童ポルノ製作流通を阻止し、児童を救済するという目的からはずれていっている。そういったことから、この改正案に反対を唱えたい

改正を主張する言説の一部のほこさきが本来の児童ポルノ(というものは私は見たこともないし、どういう風に流通してきたのかも知らないが)からそれて向かっている漫画等の表現の中には、子供向け大人向けを問わず、無論エッチなものや、成年向けとして、かつてのエロ劇画からの流れの上にある美少女エロ漫画等もあるが、それらの表現は長く製作者側と流通側、読者等によって配慮をもって扱われてきたもので、その配慮の仕方にまだ不十分なものがあるにしても、上から一律に規制するにはなじまない表現物である。

これらの問題について、よくまとまっているページ「三号ポルノ/ 同人用語の基礎知識

児童ポルノ禁止法改正案緊急声明についての解説

こういった声もある。「「児童ポルノ禁止法」で日本のマンガ・アニメが衰退する」森永卓郎

2008-02-09 児童ポルノ規正法改悪に反対する」 小谷野敦。近著『美人好きは罪悪か?』(ちくま新書)でも、この問題について触れている個所がある。


各政党の見解、改正賛成派議員、反対派議員についてなどの記事はいろいろとネット上にある。

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