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ああ、儂の可愛い亜矢子、ちょっとネタばらしあり

18歳以上対象、アダルト、エロマンガ、成年マンガの話題。ネタばらしあり。

散歩の途中でふと伊駒一平の長編『キャスター亜矢子』のクライマックスでの局長の叫びのリアリティを改めて、しみじみと感じたりしたもので(笑)。

私ゃ、それほどエロマンガ、量読んでないけど、この十年来、読んで来てる作家の一人が伊駒一平。エロ劇画以外、及び一般青年誌に載ってるお色気作品以外で、同年代 40代の読者に勧められるエロマンガというと、まず私は伊駒一平を挙げるね。なんつうか、セックスそのものがそこにある、みたいな作品を描いてきているのだ。

『キャスター亜矢子』は、2001年くらいかな、つぶれた平和出版の雑誌に連載された長編。大体エロマンガ雑誌に載ってる作品って、ほとんど短編の読み切り。伊駒一平も、それまでずっと短編ばかり読んできたので、長編期待したけど、これはちょっと苦しかった。単行本で三巻あるのだけど、各巻、他の短編も収録されてるので、長さは実質 2冊ちょっとくらいか? これだけの長さの長編を支えるには、舞台である放送局、業界、人物の描写が不足、いつもの短編なら、それでいいんだけどね。長編だと、やっぱり、舞台を描くのに一般青年誌連載クォリティーが必要なのかね、資料の準備とかアシスタントとかもだろうし、人物もただエロだけで動いてるってわけにもいかない。

そんな、作品としては物足りない長編だったけど、3巻、クライマックス部分の迫力は圧巻だった。これは短編では出せない。ヒロインはただのおとなしい人妻でなく、職業的野心のあるニュースキャスターで、バツイチ。別れた亭主がカメラマンで、業界ゴロみたいになってて亜矢子のエロテープを持ってて、亜矢子に目をつけた局長がそれを手に入れて亜矢子を脅して、自分のものにしてゆく、みたいなストーリー、大体。

中年の下品な欲望の固まりみたいな、権力も持ってる局長ってのが、憎たらしくキャラが立ってるわけだけど、その局長がとうとう、亜矢子を手に入れて好き放題したあげく、亜矢子の奴隷となって、儂の可愛い亜矢子、とか叫ぶんだよね、最後に。あれは良かった、うん。そういうことを感じた 2008年の桜も散った頃。

(追記 2008.4.26 局長というのは放送局の編成局長)

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ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンドの覚え書き

ダウン・タウン・ブギウギ・バンド on JBOOK」で、この間紹介した、再発CDは東芝時代のもので、「スモーキン・ブギ」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」などのヒットとライヴで日本のロックシーンに確固たる地位を築いた時期のもの。1980年に入るとともに東芝を離れ、今までの曲を封印、バンド名に「ファイティング」を加え、よりロックに根ざしたアグレッシヴな活動を求める。大手レコード会社の制約から逃れて作られた自主制作のライヴ盤『海賊盤』は、ライヴ会場で発売された。

その『海賊盤』、レコード店は銀座の山野楽器のみで発売されているというので、あまり用のない銀座まで行って買ってきた。のちには EPICソニーから発売されたが、自主制作版の方はジャケットが茶色のボール紙、EPICソニー版の方は銀箔。

簡単な印象、堕胎のことを歌った、阿木燿子作詞の「いい子でいなさい」が渋いブルース・ロック・歌謡。同じく阿木燿子作詞の「シャブ・シャブ・パーティ」、小市民のわだかまった心情を歌った挑発的な曲。島武実作詞「TOKYO豚 -Y-」、歌詞からすると「トコトン」と読ませるのか? セックスのことを歌ってるらしい。宇崎作詞作曲「Ashi-ga-tsuru」セックスのことを歌ってるらしい。沖縄民謡っぽいメロディのある曲。阿木燿子作詞「MY BODY」セックスのことを歌ってる、つうか、気取ってないで叫んでみろよって歌詞。「春のからっ風」泉谷しげるの代表曲の一つで、アナーキーものちにカヴァー。「堕天使ロック」ジャックスの曲で岡林信康も歌ったはず。これで内容の半分くらいか。

「堕天使ロック」は 13分に及ぶヘヴィなナンバー。ジョン・レノンが殺害された日に渋谷ジャンジャンでのライヴに行った。待ってる間に流れたのは『ジョンの魂』で、前座に確か、アンタッチャブルというギターの二人組が出て、それから登場した宇崎が、山口百恵も王、長島監督も引退するし、世紀末という感じだ……今日はジョン・レノンの曲は出来ないが、追悼の意を込めてせいいっぱいやるというような意味のことを言ってライヴが始まった。ライヴのハイライト的な、延々と続く「堕天使ロック」は圧巻だった。カヴァーでは「春のからっ風」もやったが、山崎ハコの「ララバイ横須賀」もやって、いかにもの、いい選曲だと思った。これはレコードで聴きたかった。

1981年、半年の休業(その間に各自がソロ・アルバム発表)後、1981年秋にEPICソニーから出た唯一の(というのは、81年の暮れで解散したから)スタジオ録音アルバムが『We Are DOWN TOWN Street FIGHTING BOOGIE WOOGIE BAND』。メンバーがそれぞれ楽器を構えたジャケットの写真は篠山紀信。デザインは島武実。アルバム名からうかがえるように、ストリートでゲリラ・ライヴをやるようなバンドの私語りに終始したようなアルバムで、力の入り方が空回りな印象だった。それでも、もともと好きだったダウン・タウン・ブギウギ・バンドが 1980年とともに「ファイティング」をつけてやるというのを聞いて、ロックはやっぱ、こうこなくちゃなあと思った私は当時繰り返し聴いた。結局は B面ラストの唯一のバラード曲、阿木燿子作詞の「波止場」時代という波止場に夜中、謎の荷物が積み降ろされているという曲が、聴かせた。

現在、CDは出てないみたい。ライヴのDVDはあるようだ。

期待したダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンドがさっさと解散して、私は、しょぼんとしてしまったが、しばらくして宇崎竜童が(ソロ・アルバム 2枚の後)、竜童組を始めたのを知って、ロックとファンクと和太鼓でとにかく盛り上がる、その方向性に納得したのであった。

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